2014年11月14日金曜日

財界二世学院はあります!

財界二世学院赤穂義士パレード今年も開催だそうです。詳細は下記Twitterで
https://twitter.com/akogishi47

どうやら行方不明ではなさそう。よかったですね。
今年は12月14日が日曜日なので見に行きましょう。

ちなみに財界二世育成学院というのが名古屋にあるけれど、財界二世学院と関係はない様子。

2014年11月7日金曜日

愚者の黄金



セイビング・ザ・サン」で長銀の破たんを巡るドタバタを書いた、ジリアン・テットによる「愚者の黄金」を読んだ。リーマンショックコンフィデンシャルThe End of Wall Streetのような金融危機ものだと思っていたけれど、あにはからんや1994年4月のボカラトンホテルでのブレインストーミングに始まったクレジットデフォルトスワップ(CDS)の歴史の話。

ネットでの批評を見るとどうもJPモルガンの話ばかりに偏っていて不公平とのこと。とはいえCDSの本当の役割やなぜCDSが急速に普及したのかが、これを読んでようやく腑に落ちたので忘れないうちにまとめておく。一言でいえばBIS規制をかいくぐるためにCDSが使われていたということ。


  • BIS規制の意味とは、「リスクアセット」と定義した保有資産について一律に8%の引当金を積む義務を負わせること。
  • 銀行は1億円の投資(融資)に際して800万円の資本を積むことが求められるため収益機会があっても資金調達ができなければ投資できない。
  • CDSで保有資産のリスクを「消す」ことにより、追加的な資金調達をしないで新規に投資を行うことが可能になった。
  • BIS規制を守ったまま実質的にレバレッジを上げることが可能になった。
  • CDSが急速に普及した背景には銀行がBIS規制の抜け穴としてCDSを使ったことがある。
  • CDSを使って銀行のBSから資産が完全に切り離されていればよかったのだが、「リクイディティプット」(流動性がないときには資産を銀行が買い戻す)契約が付いていた「スーパーシニア」資産の買い戻し義務があったためそのリスクを負担することになった。


2014年11月4日火曜日

wsj記事翻訳~ドミノピザがクラウドでメニュー開発

11月2日のwsj記事~Domino's Pizza Cloudsources Its Menueの翻訳

「漁師の薄汚い奥さん」-アンチョビー、ほうれん草、チリライムのピザ-は誰もの好む味ではないかもしれない。しかし、このピザは、オーストラリアのドミノピザ・エンタープライズが世界のファーストフード市場でより大きな地位を得るために、お客さんからヒントを得て作った数万のメニューの一つだ。

このキャンペーンはマーケティングの実験であるとともに、顧客を新たな販売チャネルに変える消費者主導のソーシャルメディアなのだ。ピザ・モーグルというモバイルアプリがその舞台となっており、このアプリでオーストラリアの顧客はオリジナルピザをデザインし、ソーシャルメディアで販売できる。そして、「世界初」な点は、売上の一部を報酬として得られるのだ。

シドニー市場上場のドミノピザ・エンタープライズ(アメリカのドミノピザ・インクと混同しないように)はオーストラリア、ニュージーランド、日本、フランス、オランダにおけるフランチャイズ権を持っている。数千人がすでに参加していることをもって同社はこのキャンペーンの成功を喧伝しているが、利益への具体的なインパクトは2月の決算発表を待たねばならない。

現時点でオーストラリアに限定されているが、ピザ・モーグルの参加者たちは、ピザ1枚当たり25オーストラリアセントから3.25オーストラリアドル(22USセントから2.86USドル)の範囲で報酬を受け取っている。通常の場合、トッピングが多いほど多くの報酬が支払われる。その方が会社のマージンが増えるからだ(しっかり売れればだが)。しかし、創造の範囲は一定の種類のトッピングに限られる。あらゆる材料を思いつきで調達するのは金がかかりすぎるからだ。

参加者の一部はドミノピザの従業員だ。広報担当者は従業員がピザ・モーグルに参加していることを認めているが、人気ランキングの上位5人は従業員ではなく、上位10位のうち2人がドミノピザで働いている。また従業員は、ピザ・モーグルでの売り上げの一部をチャリティに寄付することを推奨されており、このプロジェクトの開発に直接関わっている参加者は利益の100%を寄付している。

「自宅にいながら稼げるのは素晴らしい」とシャナーン・リケットは言う。彼女は生後11か月の息子の世話をするために仕事を辞めた後にピザ・モーグルのことを知った。ベジタリアン向けのメニューがないことに不満を感じていた33歳の彼女は、肉抜きメニューの組み合わせでその穴を埋めようとした。彼女は数か月で1600オーストラリアドルの収益を得た。

「なんでみんなが私のピザを買うのかって?なぜ買わないの!と言いたいわ」とリケットは言う。「私はいろんな好みにあう変わったピザを作る人という風にマーケティングしているの」

彼女のメニューはピザ・モーグルが7月に始まってから誕生した約10万のアイデアの一部だ。ピザ・マスターと名乗るもっとも稼いでいる参加者は12000枚を売り上げて、32000オーストラリアドルを手に入れた。

ピザ・マスターは、7000ドルを稼いだ参加者がいるというニュース番組を見てピザ・モーグルを始めたという。

「すぐさまアカウントを作ってピザを考え始めたよ」と彼は言う。「ピザ好きとしては何がピザに合うかはわかっていたし、友達や家族とそれを分け合い始めたんだ。販売が始まってからすぐにみんな僕のピザを楽しみ始めたよ」

元ピザ配達員で現ドミノピザのCEOのドン・メイジ自身もピザ・モーグルに参加している。「普段私たちがメニューに出しているのと比べて奇抜でおかしな組み合わせがたくさんある」と彼はインタビューに答えた。「私たちは顧客に権限を委譲しているんだ」

最大の売上を誇るピザのメガ・ミート・マスターもピザ・マスターの作品だ。これはベーコン、ビーフ、チキン、ハム、ペパローニプルドポークイタリアンソーセージといった心臓に負担のかかるものがちりばめられている。別の人気メニューにはチキン・チーズ・ベーコン愛好者、ニンニク海老デライトなどがある。

目新しさが無くなってもピザ・モーグルの人気が続くのかはわからない。結局のところドミノピザの顧客は誰かに考えてもらわなくても素材を組み合わせて作ることができる。

※有料記事を全訳するのもあれなのでここで終了。続きはwsjを読んでください。