2015年2月2日月曜日

Heim Bodekが大勝利というニュース

やや古い話(3週間前くらい)になるが、ようやくSECは、アメリカのDirect Edge傘下の私設取引所において不公正な発注手法が存在する(した)ことを認定した。取引所側も容疑を認めて、(Direct Edgeを買収した)BATS Global Marketsは1400万ドルの支払いをすることで和解した。

Direct Edge Holdingsの傘下にあった2つの取引所(EDGA ExchangeとEDGX Exchange)における発注手法の一つに"price sliding"について、実際には優先順位や執行の有無についての要件の異なる3種類のパターンがあったにも関わらず、その説明をしていなかったということがこの理由。また、この注文がどうやって機能するかについて公表しないだけではなく、一部のHFTを含む取引所メンバーにのみ伝えていた。

その三つの注文とは:1)Hide Not Slide; 2)Price Adjust; 3)Single Re-Price。

Direct Edgeは一部のHFT業者のリクエストに基づきHide Not Slide注文を開発し、彼らの注文を増やすため一部の投資家にのみ、これらの注文についての詳細な情報を伝えていた。

これはまさに、かねてよりHeim Bodekが文句を言っていた問題だなと思っていたら、まさに彼その人がこの事件の情報提供者だそうだ。彼の代理人の弁護士事務所のリリースに出ていた。

そして支払金額が100万ドルを超えているので、これはSECの報奨金支払いプログラムの対象になる。SECのFAQによれば受取金額は回収した制裁金の10%から30%ということなので、Bodekは最大で420万ドルを受けとることができる。情報提供は2011年ということなので、ここから弁護士費用が引かれるのだろうが4、5年の収入としてはそれなりにぜいたくな暮らしができる水準になるのだろう。