2015年2月2日月曜日

Heim Bodekが大勝利というニュース

やや古い話(3週間前くらい)になるが、ようやくSECは、アメリカのDirect Edge傘下の私設取引所において不公正な発注手法が存在する(した)ことを認定した。取引所側も容疑を認めて、(Direct Edgeを買収した)BATS Global Marketsは1400万ドルの支払いをすることで和解した。

Direct Edge Holdingsの傘下にあった2つの取引所(EDGA ExchangeとEDGX Exchange)における発注手法の一つに"price sliding"について、実際には優先順位や執行の有無についての要件の異なる3種類のパターンがあったにも関わらず、その説明をしていなかったということがこの理由。また、この注文がどうやって機能するかについて公表しないだけではなく、一部のHFTを含む取引所メンバーにのみ伝えていた。

その三つの注文とは:1)Hide Not Slide; 2)Price Adjust; 3)Single Re-Price。

Direct Edgeは一部のHFT業者のリクエストに基づきHide Not Slide注文を開発し、彼らの注文を増やすため一部の投資家にのみ、これらの注文についての詳細な情報を伝えていた。

これはまさに、かねてよりHeim Bodekが文句を言っていた問題だなと思っていたら、まさに彼その人がこの事件の情報提供者だそうだ。彼の代理人の弁護士事務所のリリースに出ていた。

そして支払金額が100万ドルを超えているので、これはSECの報奨金支払いプログラムの対象になる。SECのFAQによれば受取金額は回収した制裁金の10%から30%ということなので、Bodekは最大で420万ドルを受けとることができる。情報提供は2011年ということなので、ここから弁護士費用が引かれるのだろうが4、5年の収入としてはそれなりにぜいたくな暮らしができる水準になるのだろう。

2014年11月14日金曜日

財界二世学院はあります!

財界二世学院赤穂義士パレード今年も開催だそうです。詳細は下記Twitterで
https://twitter.com/akogishi47

どうやら行方不明ではなさそう。よかったですね。
今年は12月14日が日曜日なので見に行きましょう。

ちなみに財界二世育成学院というのが名古屋にあるけれど、財界二世学院と関係はない様子。

2014年11月7日金曜日

愚者の黄金



セイビング・ザ・サン」で長銀の破たんを巡るドタバタを書いた、ジリアン・テットによる「愚者の黄金」を読んだ。リーマンショックコンフィデンシャルThe End of Wall Streetのような金融危機ものだと思っていたけれど、あにはからんや1994年4月のボカラトンホテルでのブレインストーミングに始まったクレジットデフォルトスワップ(CDS)の歴史の話。

ネットでの批評を見るとどうもJPモルガンの話ばかりに偏っていて不公平とのこと。とはいえCDSの本当の役割やなぜCDSが急速に普及したのかが、これを読んでようやく腑に落ちたので忘れないうちにまとめておく。一言でいえばBIS規制をかいくぐるためにCDSが使われていたということ。


  • BIS規制の意味とは、「リスクアセット」と定義した保有資産について一律に8%の引当金を積む義務を負わせること。
  • 銀行は1億円の投資(融資)に際して800万円の資本を積むことが求められるため収益機会があっても資金調達ができなければ投資できない。
  • CDSで保有資産のリスクを「消す」ことにより、追加的な資金調達をしないで新規に投資を行うことが可能になった。
  • BIS規制を守ったまま実質的にレバレッジを上げることが可能になった。
  • CDSが急速に普及した背景には銀行がBIS規制の抜け穴としてCDSを使ったことがある。
  • CDSを使って銀行のBSから資産が完全に切り離されていればよかったのだが、「リクイディティプット」(流動性がないときには資産を銀行が買い戻す)契約が付いていた「スーパーシニア」資産の買い戻し義務があったためそのリスクを負担することになった。


2014年11月4日火曜日

wsj記事翻訳~ドミノピザがクラウドでメニュー開発

11月2日のwsj記事~Domino's Pizza Cloudsources Its Menueの翻訳

「漁師の薄汚い奥さん」-アンチョビー、ほうれん草、チリライムのピザ-は誰もの好む味ではないかもしれない。しかし、このピザは、オーストラリアのドミノピザ・エンタープライズが世界のファーストフード市場でより大きな地位を得るために、お客さんからヒントを得て作った数万のメニューの一つだ。

このキャンペーンはマーケティングの実験であるとともに、顧客を新たな販売チャネルに変える消費者主導のソーシャルメディアなのだ。ピザ・モーグルというモバイルアプリがその舞台となっており、このアプリでオーストラリアの顧客はオリジナルピザをデザインし、ソーシャルメディアで販売できる。そして、「世界初」な点は、売上の一部を報酬として得られるのだ。

シドニー市場上場のドミノピザ・エンタープライズ(アメリカのドミノピザ・インクと混同しないように)はオーストラリア、ニュージーランド、日本、フランス、オランダにおけるフランチャイズ権を持っている。数千人がすでに参加していることをもって同社はこのキャンペーンの成功を喧伝しているが、利益への具体的なインパクトは2月の決算発表を待たねばならない。

現時点でオーストラリアに限定されているが、ピザ・モーグルの参加者たちは、ピザ1枚当たり25オーストラリアセントから3.25オーストラリアドル(22USセントから2.86USドル)の範囲で報酬を受け取っている。通常の場合、トッピングが多いほど多くの報酬が支払われる。その方が会社のマージンが増えるからだ(しっかり売れればだが)。しかし、創造の範囲は一定の種類のトッピングに限られる。あらゆる材料を思いつきで調達するのは金がかかりすぎるからだ。

参加者の一部はドミノピザの従業員だ。広報担当者は従業員がピザ・モーグルに参加していることを認めているが、人気ランキングの上位5人は従業員ではなく、上位10位のうち2人がドミノピザで働いている。また従業員は、ピザ・モーグルでの売り上げの一部をチャリティに寄付することを推奨されており、このプロジェクトの開発に直接関わっている参加者は利益の100%を寄付している。

「自宅にいながら稼げるのは素晴らしい」とシャナーン・リケットは言う。彼女は生後11か月の息子の世話をするために仕事を辞めた後にピザ・モーグルのことを知った。ベジタリアン向けのメニューがないことに不満を感じていた33歳の彼女は、肉抜きメニューの組み合わせでその穴を埋めようとした。彼女は数か月で1600オーストラリアドルの収益を得た。

「なんでみんなが私のピザを買うのかって?なぜ買わないの!と言いたいわ」とリケットは言う。「私はいろんな好みにあう変わったピザを作る人という風にマーケティングしているの」

彼女のメニューはピザ・モーグルが7月に始まってから誕生した約10万のアイデアの一部だ。ピザ・マスターと名乗るもっとも稼いでいる参加者は12000枚を売り上げて、32000オーストラリアドルを手に入れた。

ピザ・マスターは、7000ドルを稼いだ参加者がいるというニュース番組を見てピザ・モーグルを始めたという。

「すぐさまアカウントを作ってピザを考え始めたよ」と彼は言う。「ピザ好きとしては何がピザに合うかはわかっていたし、友達や家族とそれを分け合い始めたんだ。販売が始まってからすぐにみんな僕のピザを楽しみ始めたよ」

元ピザ配達員で現ドミノピザのCEOのドン・メイジ自身もピザ・モーグルに参加している。「普段私たちがメニューに出しているのと比べて奇抜でおかしな組み合わせがたくさんある」と彼はインタビューに答えた。「私たちは顧客に権限を委譲しているんだ」

最大の売上を誇るピザのメガ・ミート・マスターもピザ・マスターの作品だ。これはベーコン、ビーフ、チキン、ハム、ペパローニプルドポークイタリアンソーセージといった心臓に負担のかかるものがちりばめられている。別の人気メニューにはチキン・チーズ・ベーコン愛好者、ニンニク海老デライトなどがある。

目新しさが無くなってもピザ・モーグルの人気が続くのかはわからない。結局のところドミノピザの顧客は誰かに考えてもらわなくても素材を組み合わせて作ることができる。

※有料記事を全訳するのもあれなのでここで終了。続きはwsjを読んでください。

2014年10月14日火曜日

FX取引で資金洗浄ができるという仕組み

やや昔の話になるが、FXを利用したマネーローンダリングが摘発されていた。それを報道した記事は下記の通り。

北朝鮮、FXで資金洗浄 日本の不正口座操作 大阪府警が摘発
2014.8.8 08:01
 外国為替証拠金取引(FX)をめぐる金融商品取引法違反容疑で大阪府警に逮捕された静岡県の貿易会社代表(41)の顧客向け口座が、北朝鮮の兵器密輸の資金洗浄(マネーロンダリング)に使われていた疑いがあることが7日、公安関係者への取材で分かった。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記直轄の工作機関が運用していたとみられる。国際社会が懸念を深める北朝鮮の資金洗浄の一端が浮かび上がった。
 府警によると、貿易会社代表は、中朝国境付近の中国・延吉を実際の拠点として活動。先月下旬、無登録で日本国内の顧客の資金をFXで運用した疑いで逮捕された。日本の金融機関で開設した顧客名義の口座は計数十にのぼり、取引用IDとパスワードを預かって取引していたという。
 公安関係者によると、こうした取引は、中国浙江省のソフト開発企業の技術者らが、貿易会社代表が日本国内の知人に預けたパソコンを遠隔操作して実行していた。この企業は金第1書記直轄の工作機関「偵察総局」のダミー企業で、パソコンの操作にも偵察総局が資金洗浄用に開発したソフトを使っていたとされる。
 資金洗浄のために、偵察総局は香港に別のダミー企業も設立。香港のこの企業が、兵器密輸などで得たとみられる資金を使って、香港のFX市場で売買を行い、それと同時に浙江省のダミー企業が同額で逆の売買を実施、香港のダミー企業が損失を出すと、その分が運用益として日本の顧客口座に入るといった仕組みをつくっていたとみられる。さらに、中国国内の一般の口座などを使った運用も組み合わせ、資金洗浄を完成させていたとされる。
 北朝鮮との武器取引は国連の制裁対象で、資金の流れに対する欧米の監視も強い。北朝鮮は中東やアフリカ諸国、テロ組織との取引で得た資金を、英独や中国、マカオなどいくつもの口座に小分けし、管理・運用しているとされる。日本の個人投資家の口座はマークされる可能性が低く、洗浄ルートの一つに選ばれたようだ。
 貿易会社代表は、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)関連の商工人にもFXへの投資を募っており、今回の仕組みは、北朝鮮への送金ルートになっていた可能性もあるという。府警はFXでの運用に使われたパソコンや書類を押収、運用実態の解明を急いでいる。



記者が警察発表を右から左へ流して書いているせいか、このニュースは逮捕された日本人を中心にしている。読んでみてもなにをどうしているのかよくわからないので、この記事のマネーローンダリングの手口を妄想してみた。

Q1.マネーローンダリングできれいにしたいお金はどれか。
A1.北朝鮮の工作機関である「偵察総局」が武器輸出で稼いで香港に設立したフロント企業にプールしたお金。

Q2. どうやって金をきれいに(表立って使えるように)したのか
A2.FX取引を利用して香港のフロント企業(以下香港F企業)にたまった「汚い金」を、FXで儲けた「きれいな金」に変換した。

Q3.具体的な手法は
A3.偵察総局が中国に設立したフロント企業(以下中国F企業)に日本でFX口座を開設させ、そこでFX取引を行う。同時に香港F企業に逆のポジションを取らせる。

Q4.FXのポジションを取るとどうなる。
A4.
中国F企業のポジションで利益が出たらその金はFXで得たきれいな金なので自由に送金できる。その際に香港F企業で損失が出るがそれは汚い金で補填。
中国F企業のポジションで損失が出たら、香港F企業側で利益(きれいな金)が出ているので、正々堂々とそれを日本に送金し穴埋め。
中国F企業のポジションで利益が出るまで続けて香港F企業は反対のポジションを取り続ける。

(ポイント)

* FXでなくても価格が変動する商品でロング・ショート両方のポジションを取ることができればよい。
* 金融商品に限定せず、一方の利益が一方の損失になるゼロサムのギャンブルを中国F企業と香港F企業で行い、香港F企業が負け続けてもいい。
* キャピタルゲインゲイン課税があっても資金がきれいになればよい人向けのやり方。
* 脱税目的で資金源を合法化したい人には向いていない。脱税目的なら「キャピタルゲインへの税率」が「脱税したい利益の税率」より小さい場合のみ合理的。

(課題)

* ついてないと香港F企業側で利益が出ると同時に中国F企業側に損失が発生し、いつまでたっても香港F企業にプールした利益をきれいにできない。
* 利益が出た側に発生する税金をどうやって最小化するか。中国F企業が利益を出す状況ならば、資金をきれいにするという当初の目的が達成されるので税金もその費用と見なせば我慢できるが、香港F企業側で利益が発生した場合は何の効果も得られないまま納税が必要になる。


2014年9月26日金曜日

wsj記事 Financial Elete's Offspring Start Their Own Hedge Funds

大物ヘッジファンドマネジャーの子どもらがヘッジファンドを始めているという記事。
ヘッジファンドの立ち上げはベンチャーの起業と似たようなもので、裕福な家の子どもがやる例はまれだったそうだ。

記事に具体的例がいくつか出ていたのでまとめ。

これから運用を開始する二世たち:

* Andrew Marks: 28歳。Oaktree Capitalの創業者Howard Marksの息子。2009年ペンシルバニア大学卒。哲学・政治学・経済学を専攻。元ミュージシャンでSmallvilleというスーパーヒーロー番組に楽曲を提供。前職はヘッジファンドのBlue Ridge Capital。彼の父とその他の友人や家族から2億ドルを調達する予定。運用開始は今年の年末か来年初めを予定。ファンドの名称はAnicca。仏教用語から命名。バリュー重視で銘柄を選択する方針。
* Jordan Moelis: 投資銀子経営者のKen Moelisの息子。ペンシルバニア大学卒。ウォートンMBA。父がウォートンの理事をしている。今年初めに退職するまでSerengeti Asset Managementでアナリストをしていた。2015年第1四半期にロサンゼルスでファンドを開始予定。父からの資金提供もある予定。家族の資産は4億ドル。

既に運用をしている二世:

* Schuster Tanger: アウトレットモール経営一族。
* Till Bechtolsheimer: 32歳。ドイツのデパート「Massa」の創業者Karl-Heinz Kippの孫。祖父から2億ドルを調達。NYでArosa Capitalというヘッジファンドを経営。

失敗した二世たち:

* Joshua Fink: BlackRock創業者Laurence Finkの息子。2002年に父他から資金提供を受けEnso Capitalを設立。設立後順調に推移していたが海外鉱山への投資が失敗し2012年に外部からの資金を返還した。
* Brett Icahn: 大物投資家Carl Icahnの息子。35歳。父が経営するIcahn Enterpriseから資金提供を受け、独立してファンドを始めようとしたが断念。

運用に成功した二世:

* Wayne Cooperman: Omega Advisors創業者Leon Coopermanの息子。28歳の時(1995年)に父からマイノリティ出資を受けてヘッジファンドCobalt Capitalを開始。運用資産20億ドルまで成長し、今年の運用成績はOmega Advisorを上回った。

ヘッジファンド以外の金融業をしている二世:

* Howard Buffet: Warren Buffetの息子。農家兼事前活動家。Berkshire Hathawayの会長職を引き継ぐ予定。
* 元AIGグループ会長のMaurice Greenbergの2人の息子。保険関連会社のCEOになっている。


2014年9月24日水曜日

WFOEについてアリババの事例から学ぶ

9月19日にAlibaba Group Holding Limitedがニューヨーク証券取引所に上場した。2300億円の時価総額を付けて筆頭株主のソフトバンクに8兆円の含み益が発生とかたいへん景気がいい。

アリババの本社は中国のYu Hang DistrictのHangzhouつまり浙江省杭州市にあるようだが、SECへ提出したForm F-1(上場目論見書)を見ると、登記はケイマンになっている

さらに言うと上場したAlibaba Group Holdingは直接的にも間接的にも、alibaba.comとかTaobaoとかアリババの事業を行っている中国の法人の株式を持っていない。

なんでそんなことになるのかが目論見書に書いてあったので、それ以外の情報もネットで見ながら調べてみた。


1. なぜAlibaba Group Holding Limitedはアリババの株を持ってないのか

中国の法令により、インターネットコンテンツ事業の運営会社については、外国人株主割合に上限がある。そのため、実際にアリババの事業を行っている中国法人の株式を上場させると、不特定の個人・法人が株主となり外国人株主割合が収集つかなくなる。

そこで、中国法人の株主は中国人のままにしながら、上場のために外国籍の法人(ケイマンやBVIのSPCが多いようだ)を用意し、このSPCへ中国法人の利益を移転させる。投資対象にしたい中国法人の業績を反映したSPCを香港やNYに上場させることにより、形式的には中国企業の株主は中国人のみにも関わらず、当該企業が上場したような効果を、発行会社と投資家の両方が享受することができる。

これを実現するためによく用いられているのががWFOEと呼ばれる仕組みだ。

2. WFOEのしくみ

WFOEはWholly Owned Foreign Enterpriseの略で、外国人および外国資本のみによって設立することのできる中国法人。逆にWFOE以外の法人を中国で設立する場合には、何らかの形で中国人の参加が必要。



上の図ははアリババがWFOEの説明のために目論見書に掲載したものだが、これに沿って説明すると、今回NYに上場した株式を発行しているAlibaba Group Holdings Limitedは、図の上にある"Our Company"になる。実際のアリババの事業、例えばアリババの中核であるAlibaba.comや1688.comの運営を行っているのはHangzhou Alibaba Advertising Co., Ltd.でこれは図の右下の"Variable Interest Entity"(VIE)にあたる。
(注)VIEは日本語だと持分変動事業体とか言われていて、子会社ほか連結対象とすべきもろもろを包括した概念、の様子
VIEの株主は、上述の通りAlibaba Group Holding Limitedあるいはその子会社とは別の中国人。Hangzhou Alibaba Advertisingの場合は、アリババの創業者で会長のJack Maが80%、同じく創業メンバーで副社長のSimon Xieが20%を所有している。

そして、Alibaba (China) Techonlogy Co., Ltd.がWFOE(図の左下)となって、Alibaba.com事業の経営成績をAlibaba Group Holdingの業績に取り込んでいる。

3. 株主を持たずに支配して利益を吸い上げる方法

上場した方の会社の会長がVIEの大株主だからと言って、VIEの利益を株主でもない相手に分配する筋合いはない。そこで、外国人が中国法人の株主になれない状況でなんとかVIEの利益を取り込むために、契約関係でVIEを支配して利益を分配させている。

目論見書の中で言及されているのは
支配のための契約4つ
(1)貸付契約(WFOEからVIEへの融資)
(2)排他的株式買取契約(VIEの株主による株式譲渡を制限)
(3)議決権委任契約(VIEの株主はWFOEが指名する者へ議決権を委任)
(4)株式質入契約(VIEの株主は持っている株式をWFOEに担保として提供し、一連の契約に違反したときにはWFOEが優先的に回収)
利益取り込のための契約1つ
(1)排他的技術サービス契約(WFOEがVIEへ技術サービスを提供し対価として税前利益全額を支払う)

4. WFOEが崩壊した事例

ところで、昔マザーズに上場していたデザイン・エクスチェンジという会社はWFOEの仕組みで中国の会社を連結子会社にしたのだが、途中からその中国企業が言うことを聞かなくなり連結から外したという。

WFOEも完璧な仕組みではないようだが、詳細は不明。また別の機会に調べることにする。