2014年8月8日金曜日

市場の動きからインサイダー取引を発見する試み≒新たなビッグデータ詐欺?

おしゃれなグローバルエリートの間で大流行のビッグデータでなんとか株価の動きを予想できないものかと前から思っていたのだが、ちょっと前にそれっぽい記事を見つけた。


2014年6月16日のNY Timesの記事がそれ。

記事によればニューヨーク大学教授らが、オプション市場でインサイダー取引が横行していることを明らかにした論文を発表したという。

そこで、紹介のあった論文"Informed Options Trading priort to M&A Announcements: Insider Trading?"を読んでみた。その大まかな内容は以下の通り。
  • 調査の対象としたのは1996年1月1日から2012年12月31日までに米国内で発表されたM&A計1,859件。
  • それぞれについて、関連する会社の株式オプション市場で異常な動きがないかを検証。
  • M&Aを公表する前の30日の動きを調べた結果、M&Aの前のオプション市場では以下の3つにおいて異常な変動が発生することが分かった。
    1. 出来高
    2. インプライドボラティリティ
    3. ビッドアスクスプレッド
ということなので、この3つの指標を調べて大きな動きがあったらば、つまりインサイダーが買いを入れているということで、目先にTOBとか再編がらみの動きがある。先回りして公表前に買っておけば次々TOB銘柄を拾っていける、と考えたが、よく考えればそんなに簡単ではないような。

上の1から3が異常値をつけるというのは、確かにインサイダー取引の際にありそうな動きだけれども、それ以外の原因でも発生しそうな気がする。1乃至3の指標がインサイダー取引を反映しているという理屈が論文からはよくわからない。

また、分析の対象としているM&Aの公表のあった銘柄について、そういう異常な動きがあったということはわかったけれど、分析対象外の、M&Aとは全く関係ない銘柄ではどういう動きがあるのか。無関係の銘柄でも異常な動きが散発的に発生しているというのであれば、この指標を見ても銘柄選択に役に立たない。

英語が難しいのでちゃんと理解できていないだけかもしれないが、この論文を信じてM&A対象となりそうな銘柄を選ぶことは無理だろうというのが直観的な感想。また、インサイダー取引をした人を事後的に摘発するのにも使えるかというとそれも微妙。うまい話はなかなかないな。

でも本当はもっといいこと書いてあるのかもしれません。どなたかちゃんと詳細まで理解できた人いたら教えてください。

でもNew York Timesの記事にも取り上げられてて権威がついたし、ちょっと見たところオプション市場の大量のデータを分析してM&Aを予測するみたいな感じにも見えるので、これをネタにしてヘッジファンドにシステムの売り込みをできるかもしれない。いやヘッジファンドは自分の金賭けてるからしっかり確認するか。もっと見込みのありそうな営業先は地銀とか農林中金とかかな。

昔からの格言通り、「株で儲ける一番の方法は、『株で儲ける方法』を人に教えて金をとること」なのかもね。

ところで農林中金のWikipediaがやたら褒め殺しみたいになっていて背景が気になるところ。別途検討したい。

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